電車通勤でつり革の持ち方で気付いたことがあります。本来、手掛けの下部を持つのですが、私の場合は自然と手掛けの上部を手で覆う(手掛けの外側を手で覆う)ように持ちます。手掛けの下部だけ持つと触れ幅が大きくなるので、無意識に手掛け上部のさやを掴み、
手掛けの上部まで手を滑らせて止まったところを掴んでいました。たまにこのような方も見受けられるようですが、護身の手の掴み方と同じことに気付きました。つり革のさやが手首、手掛けを手と見立てると日常的なつり革を持つ行為が護身の稽古に変わるのです。右利きの方は左で持つようにすると左右バランスの取れた使い方ができるようになります。手の持ち方は重要です。私の道場では敵のパンチに対して手刀で受けて、その手刀で敵の手を持ち、同時に片方の手を敵の肘にあてて転身しながら相手を投げることを体験で教えておりますが、手の持ち方ができていない方が多いとようです。コツは相手の手をつり革の手掛けに見立て、手掛け上部を親指、小指、薬指、中指で覆うように持つようにすればイメージしやすくなると思います。席に座れなくてもつり革を掴むことで毎日、左右の手で30分間、護身のための手の使い方が練習できると思えば気持ちが楽になります。